偏愛断簡集

徒然なるままに綴る。

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「日本人の思惟方法」続き

2.人間結合組織を重視する傾向 a.人間関係の重視日本人は人間の持つ自然な感情を尊重するが、これは人間結合組織を重視する傾向として現れてくる。また人間関係を重視することは、日本人が礼儀作法を重んじる行動形式にも顕著である。西洋においては人々の応…

「日本人の思惟方法」中村元選集より、第3巻

なんとなく書棚を眺めて自分の嗜好や趣味に合いそうな本を見つけた時の喜びはなにものにも代え難い。普段はあまり注意深く見ない図書館の書棚を歩いていて本書を偶然見つけた。少し前にルース・ベネディクトの「菊と刀」を読んでいただけに、ちょっと興味を…

現代へのデッサン

現代というのは、見えにくいものだ。なぜかというと、現代という時代はあまりにも卑近なものとして私たちの中に現れているからだ。この2018年から数年間を描写するのと、300年以上前の江戸時代を描写することの易しさを比べると、江戸時代の方がはるかに想像…

「自由と社会的抑圧」シモーヌ・ヴェイユ

‪人間への深い理解と愛、そして社会と権力への厳しく鋭い眼差し。夢想と理想は違う。高度に組織化される社会や生産活動の中にあって、人々は混乱と無自覚、そして隷従の只中にいる。次第に個人が集団化、匿名化されていく時代にあって、ヴェイユは人々の啓か…

第9講 教育の複雑さ・微妙さを伝えたい 広田照幸

そもそも、「教育」とはなんであろうか。広田の定義では「教育とは、誰かが意図的に他者の学習を組織化しようとすること」であるそうだ。だが、「誰か」とは一体誰のことを指すのか、「意図的に」とはどのような意図なのか、それはどう正当化されるのか…など…

第8講 悲しみをわかちあう 金子絵里乃

社会福祉学というと、どうしても高齢者や介護について学ぶものであるとのイメージが先行する。だが、社会福祉学の根底には一人一人の命を尊ぶという価値があり、孤独な人や苦悩している人、人との繋がりや生きる気力を失いつつある人、援助に繋がりにくい人…